今回は、沖縄の文化の大きな特徴となっている『旧暦』について紹介します。
沖縄では、『旧暦』で行われる行事・神事が多くあります。
「正月」に関しても、一部の地域や家庭では『旧暦』で行われています。
その地域や家庭では、新暦1月1日に何もしないのかというと・・そうでもなくて、きちんとお年玉をあげたり、新年の挨拶やお祝いは行われることが一般的です。
あくまでもメインの正月は、『旧暦1月1日』という風習なんです!
※一部の地域・家庭のお話です。
旧暦とは太陰太陽暦
日本で、日常的な生活の元になっているカレンダーは「太陽暦」といって、太陽の周期から数えられた「新暦」です。一方で『旧暦』とは、月の満ち欠けから数えられ、さらに太陽の周期を取り入れた「太陰太陽暦」のことです。
日本では、1873(明治6)年1月1日に改暦が施行されるまでは、『旧暦』を使っていました。その後も本土とは異なる文化を歩んだ沖縄県は、行事・神事は引き続き『旧暦』で行われてきたのです。
月日とともに、沖縄独自の文化も薄れつつありますが、『旧暦』の行動様式はまだ色濃く残っています。旧正月や旧盆の時期などは、どのスーパーでも惣菜コーナーにオードブルが大量に準備されますし、旧盆はお休みという沖縄企業も少なくありません。
歴史的な背景
沖縄は、過去、日本からは独立した琉球王国という王国でした。琉球王国時代には中国との貿易交流が盛んで、文化的な影響も多く受けたようです。
沖縄の観光地として有名な「首里城」も中国の建築様式の影響を大きく受けていると言われていますね!
そして、中国は今でも「新暦」ではなく『旧暦』を使っています。必然的に、沖縄の旧正月(旧暦1月1日)の時期は、中国の旧正月「春節」とも重なるのです。別記事で紹介したように、沖縄の伝統的なお菓子「サーターアンダギー」も中国の「開口笑」が由来という説があるように、沖縄と中国の文化は一部類似しているんです!
沖縄の主な旧暦行事
この項では、沖縄で『旧暦』に行われる主な行事を紹介します。ここでは、完結に紹介していますが、後々、それぞれの行事ごとに詳細な記事を公開しますので、お楽しみに!
- 旧暦1月1日・・ソーグヮチ
旧正月
- 旧暦毎月1日・・チイタチ
毎月旧暦の1日に祖先へお供え事をする
- 旧暦毎月15日・・ジュウグニチ
毎月旧暦の15日に祖先へお供え事をする
- 旧暦1月16日・・ジュウルクニチ
あの世の正月。料理をお供えしたり、ウチカビを焼いて祖先を供養する
- 旧暦7月13日~15日・・旧盆
本土のお盆。一部の地域では4日間行う場合もある
- 旧暦9月7日・・カジマヤー
数え年97歳のお祝い。各地で盛大に行われる
- 旧暦12月8日・・ムーチー
月桃の葉で巻いた鬼餅を食べる。健康・長寿の祈願